ダンスでつかむ自由と個性
そしてまだ見ぬ仲間に出会う旅福岡県水巻町の公民館では、dance spot「jABBKLAB」のレッスンが行われている。主宰のyurinasiaとayumugugu夫妻はどちらも凄腕のダンサーで、妻はNHK「虎に翼」OPやCMの振り付けなど各方面からの仕事の依頼が殺到。そんな彼らが一番大事にしているレッスンの在り方は年齢レベルを問わず自主性を育てるもので、普通とはかなり異質だ。規格外の活動を続ける根本は「愛」だというその姿と広がりを追う。
監督：寺井到 ©️RKB
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jABBKLAB～誰も置いてかないダンススポット～
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監督：寺井到
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「YouTubeから人気が出て全国で大活躍しているダンサーが福岡にいる」と聞いて、水巻町のjABBKLABにお邪魔したのが2024年の1月。
年齢レベルを問わず皆同じ場所で踊るその様子に最初は驚きましたが、「ストリートダンスもそうだから」というyurinasiaさんの言葉を聞いて腑に落ちました。これはいわゆる「お教室」的なものとは違うのだ、そしてその場は先生と生徒というより一つのコミュニティ、あたらしいダンスのあり方を皆で共有する場所なんだと。
それなりに長く音楽やエンタメ現場の取材に関わってきましたが、パンクやヒップホップなど歴史に残るムーブメントの黎明期や誕生の場には立ち会えていませんでした。だけどjABBKLABには間に合ったのかもしれない。現在進行形でとんでもないものを目撃しているのではないかという気持ちは日々膨らんでいます。東阪名のワークショップツアーで見た、感情を溢れさせる参加者の姿。
それを受け止めてダンスに昇華させたyurinasiaと仲間たち。エンタメや表現には、まだ見ぬ地平があることを教えてくれました。
あなたもぜひ同時代の事件の目撃者になってください。
Profile
1971年4月23日生まれ、北九州市出身。1995年ＲＫＢ毎日放送入社、テレビ制作部を振り出しに東京営業部や営業推進部を経験、2000年に音楽番組「チャートバスターズＲ！」を立ち上げる。2013年から再びテレビ制作部に戻り2019年閉館する成人映画館の人間模様を追ったムーブ「さよなら前田有楽」でギャラクシー月間賞を受賞。その後は出身地北九州からかつて数万人が千葉に移住した「民族大移動」を追った「もうひとつの八幡製鉄所」や井上陽水・南こうせつ・海援隊の４０年前のライブ映像全長版を発掘し関係者インタビューで振り返る「よみがえる九州ニューミュージックフェスティバル」などを手がける。2022年に制作した「74歳のロックンローラー 鮎川誠」は翌年鮎川の急死を受けて「シーナ＆ロケッツ 鮎川誠～ロックと家族の絆～」として映画化され全国公開された。2015年に妻のシーナをガンで失った鮎川誠のインタビューを北九州若松で行ったものが西日本新聞から「シーナの夢」として書籍化（栗田善太郎・松本康との共著）もされている。