労組と弾圧

労組と弾圧

ストしたら逮捕された、労働組合活動を犯罪にする国・・
日本です
労働組合員が“ストライキして逮捕”された。ミキサー運転手の労働組合「連帯労組関西地区生コン支部」、通称「関生(カンナマ)」を狙った事件だ。滋賀、大阪、京都、和歌山、各府県警が連携するかのように次々逮捕してゆく。労働三権は憲法が保障する基本的人権であるが、メディアは殆ど報じようとしない、「ストとはいえ過激すぎ」「幹部が反社会勢力とつながっている」・・知られざる戦後最大規模の「労働事件」の真相に迫る。

ディレクター:伊佐治整 ©MBS

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ディレクター:伊佐治整

Comment

「このネタは忘れることにしよう」、ニュースに追われていると、つい消極的な判断をしてしまうことがある。市民団体の地味な告発、反社会勢力がらみの事案…「背景に大きな問題があるかもしれない。でも、手間の割に扱いは小さそう」。私にとって「関生事件」も、そんな「前捌き」の対象だった。
活動が過激に映ることもあり、多くのメディアが「関生」を「反社会的勢力」視した。5~6年前、組合員のべ81人が逮捕された。
ストや労使交渉に対して威力業務妨害、強要などの疑いがかかった、戦後最大規模の労働事件だ。
否認すれば長期間勾留される。取り調べで、保釈とひきかえに「脱退」を迫られる。組合員は十分の一に減った。裁判は、当局の筋書き通りの有罪判決もある一方、無罪判決が相次いでいる。いずれにせよ、記事やニュースは少ない。
権力や資本に疎んじられるや、労組が「犯罪集団」とされる危うさが、現実にある。もしや、「関生」は労組が「やるべきことをやっただけ」ではないか。 遅ればせながら光を当てる。「関生事件」とは何だったか。

Profile

1975年、神戸市出身。99年毎日放送。警察・司法等の記者を経て、デスク、夕方ニュース編集長。
21年、ドキュメンタリー番組「映像」ディレクター。無戸籍・無国籍の人々の苦悩を取り上げた「映像’21“存在しない人”たち」(59回ギャラクシー賞奨励賞・日本民間放送連盟優秀賞)、コミュニティラジオ閉局への日々を追った「映像’22ラジオにできること」(47回JNNネットワーク協議会奨励賞)、元鉄道マンの生き様から赤字鉄道路線の存在意義を問うた「映像’22鉄路の果て」(60回ギャラクシー賞奨励賞)、原発事故被災地の人々と在日コリアン建築士の奮闘記「映像’23双葉に暮らす」(地域・民衆ジャーナリズム賞2024)、ニュータウンに根付く自治の精神を浮き彫りにした「映像’23限界ニュータウンと言われても」(日本民間放送連盟審査員特別賞・48回JNNネットワーク協議会奨励賞)。今作のテレビ版「映像’24 労組と弾圧」は61回ギャラクシー賞選奨入賞。テーマは「縮小するインフラ」「収奪される公共性」「そこにある辺境」「労働組合」 24年~25年は能登半島地震被災地、紀伊半島などで取材。

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