Newsお知らせ

3/14(土)・東京2日目イベントレポート

ついに開幕した『TBSドキュメンタリー映画祭2026』!
3/14(土)・2日目の舞台挨拶イベントの様子をお届けいたします!


『野島伸司 いぬ派だけど ねこを飼う』舞台挨拶
本作の舞台挨拶には、津村有紀監督と本作の被写体である脚本家の野島伸司さんが登壇。撮影の経緯や、津村監督と野島の20 年にわたる友情について、ざっくばらんに語り合いました。


野島さんは、映画で描かれている居酒屋での撮影が、まるで本当の飲み会のように続いたことや、撮影中のエピソードを披露。開口一番「イラン攻撃があって、ガソリン代も上がってしまう中、こんな日にわざわざ来てくれてありがとうございます」と毒っけたっぷりに挨拶した。続けて「居酒屋で飲んで喋ってる様子を、ずっとカメラを回されていたんですけど、それが終わるたびに『で、これ誰が見んの?』って、その都度聞いていました」と撮影を振り返っていました。


津村監督と野島さんは出会ってから、かれこれ20年ほどになるという。津村監督「親交が始まったのは、もともと私がドラマを作りたいと思っていた時に、野島先生に脚本を書いていただきたいとアプローチをしたのがきっかけです。その時は書いていただけなかったんですが、それをきっかけに居酒屋をベースにしたお付き合いが始まり、今も続いています」と明かした。初めて会った時の津村監督の印象を野島さんに尋ねると、「おおらかで、 1 周回って変わってるところがある人ですね。1 回僕の家に来て、酔っ払って迷惑をかけられたこともありました」と、若かりし頃の失敗をさらりとぶっ込む。津村監督もこれには「覚えています…」と赤面されていました。


あまり表舞台に立つことが多くはない野島さんだが、今回のオファーを受けた理由を聞かれると、「割と何でも安請け合いをしてしまうタイプで、この間もラジオに出されて…」とぼやき節。続けて「最初に断らずに『いいよ』って言うと、後になって毎日後悔するんです。他の脚本家がどうかは分からないんですけど、僕は男性ですけど、脚本を書く以上、女性も描かなくてはいけない。そうやっていろんな人物を考えているうちに、ある時ふと、自分の中に“別の人物”が出てきてしまうんですよね。そういう“もう一人の自分”が、仕事が近づくとドタキャンしたがるんですよ。『行きたくない』って、気分屋なことを言う。だからドタキャンするときは、いつもその“人物”を言い訳にしています」と語り、野島節が炸裂する場面も見せた。

撮影時に考えていたことを津村監督に聞くと、「お会いする時には今日はこういう話を聞こうかなとか、うっすら考えてはいるんですけれども、、割と野島さんのペースでいくので全然違う流れになることが多かったです。逆にそれが良かったと思います」と、長年の親交があるからこそ成り立つ撮影だったことが窺えた。

野島さんから見た津村監督は、「姪っ子」のような存在だとのこと。反対に津村監督から見た野島さんは、「おばあちゃんみたいな感じ。おばあちゃんは道徳的なこととか、生き方の話をしてくれるイメージ。居酒屋でさりげなく、仕事の話でもなんでもない、そういった話をしてくれるのが嬉しいです」と明かした。

最後に津村監督「この映画はほとんどのシーンを居酒屋を舞台に撮影しました。居酒屋というのは、なにか気づきや温かみというものを教えてくれる場所かなと、感じています。野島さんは、悪口を言わない。悪口を言うと自分に返ってくる、というような、そういった当たり前の事を話してくれる人です。今は、そういう話をしてくれる人が少なくなってきている中で、こういう話が聞けるのはいいなと思っています。この映画から、少しでもそういった気づきがあれば嬉しいです」と締め括りました。



『受忍の国 報道1930劇場版』舞台挨拶
戦後、唱えられてきた「受忍論」をテーマにした本作の舞台挨拶が行われた。登壇したのは石川瑞紀監督と、本作で取材し、「報道1930」でもお馴染みの松原耕二キャスター。


松原キャスター「監督にずっと言ってたのは、“ロードムービーにしよう”ということでした。僕にとって優れた物語というのは、主人公が旅に出るもの。実際の旅か、比喩としての旅かは別として、いろんな物事にぶつかり、失敗したり惑ったりしながら、最後は自分を乗り越えていくという物語。僕は、優れた物語というのは全てそういう要素があると思っています。今回、僕の心の中ではずっとロードムービーをしていたという気持ちでした。どんな旅だったかというと、“日本人とは何か?”という、石破元総理にも何回もぶつけた問いです。我々日本人は何者なのか?ということを探る旅を、石川監督と一緒にし続けたのだと思っています」と心境を語った。


石川監督「僕たちがいろんな取材をして、長い作品を作りたい、発表したいと思っても、なかなかそういう場が無くなってきています。長い時間をかけて取材しないと伝えられない、届けられないような題材がまだたくさんあります。ぜひ、TBSドキュメンタリー映画祭のような取り組みを続けさせていただきたいなと思っています」と映画祭の継続を呼び掛けました。



『強制沈黙~殺される記者たち~』舞台挨拶
報道への圧力が増す世界で、権力が強いる沈黙と、それに抗う者たちを描く本作の舞台挨拶では、萩原豊監督と作家の真山仁さん、そして本作でナレーションを務めた小沢和之さんが急遽登壇し、議論に花を咲かせた。


真山さん「多くの人はいろんなニュースを人から聞いたり、家でテレビやスマホを見ることで。さまざまな意見を持ってしまいがちです。でも実は、意見というのは事実を知らないと言えないものなんです。考えることもすごく大事ですが、自分で足を運び、人の話を聞いて行動することの大切さ。やはり世界で今何が起きているかということに、もっと興味を持っていただくことが大事だと思います。だからこそジャーナリストって必要なんです。『ここをちゃんと見せてよ!』っていうニーズを多くの人が発信することによって、ジャーナリストももっと足で稼ぐようになると思います。そういう意味で、教訓的な映画だったなと思います」とジャーナリズムについて語った。


小沢さん「私自身も、これまでジャーナリズムというものについて、そこまで深く考えたことはなかったかもしれません。見てくださった皆様の中で、“ジャーナリズムってなんだろう?”と、少しでも意識していただけたら、今回私が参加させていただいた意義があるかなと思っております」とコメント。


最後に萩原監督は観客への感謝と共に、「世界で広がるメディアへの批判。これは私たちに足りないところがあることは事実ですし、真摯に受け止めたいと思っています。しかし、そのメディア不信の延長線上で、ジャーナリズムの機能そのものの否定にまで至ってしまうことを、私はとても恐れています。正確な事実を伝え、そして権力を監視する。そうした機能まで失われてしまうと、この社会の“知る権利”そのものが奪われてしまうことにつながりかねません。一方で私たちに大事なのは、信頼できる情報を伝え、埋れている声に光を当て、そして皆さんの共感を得られるような伝え方を工夫しながら、日々ニュースをお届けすること。それを一歩一歩やることによって、皆さんとの信頼関係がより確かなものになるのではないかと思っております」と、自身の思いを伝えた。




公式X:https://x.com/TBSDOCS_eigasai