3/29 東京・3週目イベントレポート
ついに開幕した『TBSドキュメンタリー映画祭2026』!
3/29にて実施した映画祭東京会場3週目の舞台挨拶イベントの様子をお届けいたします!
『死刑宣告の女性弁護士 アフガンからの脱出』舞台挨拶
加古紗都子監督、俳優サヘル・ローズが登壇した東京2回目の本作の舞台挨拶は作品そしてサヘルさんの言葉を通して、紛争の現実、難民の状況、そして国際社会における課題が語られる回となりました。加古監督は本作を通して、紛争の背景にある複雑な人間関係や、日常が容易に脅かされる状況を伝えようとした意図を語り、日本社会における難民問題への理解を深めることの重要性を訴えるなど、議論に花が咲いた。
サヘルさんは開口一番「ペルシャ絨毯に乗ってイランからやってまいりました!笑ってくださって嬉しいです。そんな風に笑顔になれたりするこの瞬間が本当にかけがえのないもので、世界の向こう側ではこうやって映画を見ることや考える時間だったり、対話そのものが減っていく。こういう時間を儲けることができ、皆さんと今日は対話を私もさせていただけたらなと思っております」と挨拶。
加古監督は「この2 年半、世界の情勢に目を向けるともう日を追うごとに混乱が深まっていっています。私自身ものすごく忸怩たる、暗澹たる気持ちになっているのも事実です。実はこの映画の通訳を全編通じて担当してくださった方が、実はイランの方なんですけれども、その通訳さんが今イランのテヘランに住んでいまして、もう毎晩のように空爆に怯えながら、なんとか生き延びている状況です。先週になってようやく連絡をくれました。この作品を通じて知り合ったパキスタンの外交官の方は今テヘランの大使館に勤めていて、アメリカとイランの仲裁に向けてなんとか働きかけを行っているところです。そして、なかなか報道がされないんですけれども、実はアフガニスタンでも断続的に戦闘が続いていて、多くの市民が亡くなっている現実もあります。でもこういった中だからこそ、皆さんに今日こうやって映画をご覧いただいて世界の難民を取り巻く、現状についてもお伝えできたことはすごく意味があることだなという風に感じています」と今の想いを語りました。
難民支援を行なっているサヘルさんは「難民居住地、難民キャンプ等で常にやらせていただいてる支援として大事にしてるのが教育です。映画の中でお母さんたちが異国に行ったのは、子供たちが教育を受けられるで場所を守っていきたいという思いも強いと思います。なぜならかわいそうな眼差しとか、かわいそう、大変そうという感想では社会何も変えられない。重要なのは受けいれられた先でも教育を 1人1人にしっかりと、そういう環境を作っていくことだと思います。皆さんが今文字が読めて書けて、こうやって彼らの話を字幕を通して読むことができ、話を耳を通して聞くことができている。この一瞬一瞬がどれほど皆さんにとって宝物なのか、こういう出来事に対して関心を持ち続けてもらいたいと思っています。無関心が生んでしまった結果が今世界中で起きてる戦争、差別、紛争だと思っています。私たちが傍観者でいるということはすなわち加担者なんです。私も含めて、傍観者の先の加担者として、私たちはもう存在しています。国家の行いは国民に降りてきます。皆さんにとって政府がどんな動きしているか、全く関係のないことではなく、トップが動くことやその発言が全部、嫌でも国民に責任が自然と降りてきます。であれば皆様には加担者にならないでほしい。そのためには傍観者でいることをもうやめて欲しいんですよね。1人1人が関心を持って社会の動き、自分の立ち位置、自分がどんな選挙を通して、権利を持って自分の意見を主張すること。意見が違っていて当たり前なんです、右左じゃないです。本当にこの社会に必要なのは生きること。生きるためには手を取り合うこと。分断は何も生まない。共存するためには暴力的な発言ではなく、どうお互いに会話をするか、この対話をすることをどうか皆さん放棄しないでほしいです。そのためにはこういう映画を通して、いろんな人たちの考え方、いろんな人の生き方に出会ってほしいなと思っております」今世界が直面する現状を憂うだけでなく、未来に向けた言葉が印象的だった。続けて加古監督は「私たちにできることって何だろう?ってよく聞かれます。傍観者にとどまらずにきちんと声を上げること、この日本という社会が間違った方向に進まないために、記者である私以外の皆さんもぜひ声を上げていただきたいなという風に思います」と締め括り、最後には監督に花束が贈呈され幕を閉じた。




