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鈴木順子「私は生きる」ー脱線事故20年、記憶の軌跡ー

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登壇イベント情報

上映スケジュール

登壇イベント情報

  • 3/27(金)14:00の回上映後
    テアトル梅田
    【登壇者】:鈴木順子(陶芸作家)、橋本佐与子監督
  • 4/05(日)14:00の回上映後
    アップリンク京都
    【登壇者】:鈴木順子(陶芸作家)、橋本佐与子監督
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鈴木順子「私は生きる」

生きるを諦めなかった。限界の先で忘れなかった。“希望”。JR福知山線脱線事故で重傷を負いながら生還した鈴木順子さん。意識不明の重体から奇跡的に回復した彼女は、事故から1年半が過ぎた頃、同じ質問を繰り返すようになった。壮絶なリハビリの先に待っていたのは、“記憶が抜け落ちていく”という新たな試練だった。事故を明確に語れていた時期もあったが、時間とともに事故前後の記憶は薄れていく。失われた記憶の先に、彼女が見出した“希望”とは何か––。ユーモアにあふれ、どこかチャーミングな順子さんと家族の20年の記録。

監督:橋本佐与子 ©MBS

Trailer予告動画

監督:橋本佐与子

Comment

この作品に関心を寄せてくださり、ありがとうございます。
鈴木順子さんがJR福知山線脱線事故に遭ったのは、キャリアアップのためにスクールへ通い始めたばかりの30歳の時でした。事故前の写真が報道されると、その柔和な笑顔は多くの人の記憶に深く残りました。負傷者の取材を続けていた私は、順子さんにいつアプローチすべきか逡巡し続けていました。初めてカメラを向けることができたのは、事故から5か月後。奇跡的な回復に驚嘆する一方で、順子さんの表情は虚ろで、言葉を発する姿は見られませんでした。取材を続けながら「自分がこの立場だったら」と想像すると、撮影することへの罪悪感のような複雑な気持ちになることもありました。
今振り返れば、あの時に真正面から向き合い、撮り続けた映像があるからこそ、伝わる“迫力”があるのだと感じています。時代が進み、事件や事故が忘れ去られるスピードは加速し、メディアに向けられる視線も一段と厳しくなりました。
報道すべき事実を、知らず知らずのうちに曖昧にしていないか——そんな不安を抱く瞬間もあります。この作品の魅力は、カメラの前で取り繕うことなく日常を生きる鈴木順子さんと、家族の姿に尽きます。あえて事故原因には踏み込まず、彼らの日々を通じて「生きる」ということの強さに触れてほしい。そして同時に、20年前のあの日に起きた悲惨な事故を忘れないでほしい——その思いを込めています。
1本の電車で107人の命が奪われ、人生が変わってしまった人が数えきれないほどいるという事実を、決して風化させないために。

Profile

1972年京都市生まれ。1995年、MBS毎日放送入社。
報道局記者、2000年~2007年。夕方ニュース番組「VOICE」キャスター。2016年~MBSドキュメンタリー「映像」ディレクター、2023年~「映像」プロデューサー。
2005年4月の脱線事故発生時は現場から中継リポートを昼夜続け、負傷者取材を担当。2007年、事故から2年間の鈴木順子さんと家族を追ったドキュメンタリー番組、映像07「私は生きる」で日本放送文化大賞テレビ部門グランプリ受賞。ギャラクシー賞奨励賞。
2011年、社内横断の”がんキャンペーン”立ち上げ。がん医療取材とセミナーイベントを多数企画。2016年、映像16「がんとお金」で高額化するがん治療薬の課題を問題提議、坂田ジャーナリズム賞受賞、2018年iPS細胞を使った再生医療の可能性を伝える「未来医学者」制作、科学技術映像優秀賞受賞など。
2024年、子どもの性被害を無くすための番組キャンペーン「コドモマモル」を企画、ギャラクシー賞報道活動部門、選奨。
近年は若手ディレクターのドキュメンタリー番組制作をサポートし多数の作品をプロデュース。

Staffスタッフ

監督:橋本佐与子
撮影者:荒利幸 原淳二
編集:土方一輝
[2026年/75分 ©MBS]