排外主義が広がる世界で新たな人生を切り拓く難民たちの物語。アフガニスタンで17年間、弁護士として活動してきたファティマさん(仮名)。2021年8月、イスラム原理主義組織・タリバンが実権を掌握し、彼女の運命は一変する。家庭内暴力に苦しむ女性たちの離婚を数多く成立させてきたという理由で、タリバンから“死刑宣告”が下されたのだ。夫と4人の子どもと共に潜伏生活を続け、日本の支援者を頼り脱出を試みるが、難民を取り巻く現実は厳しい。排外主義が広がる世界で、彼らは無事に国境を越えられるのか––。
監督:加古紗都子 ©TBS










監督:加古紗都子
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今、世界にいる難民の数は、1億2300万人あまり。日本の人口と同程度の人たちが戦争や迫害などが原因で、故郷を追われています。そのうち、アフガニスタン難民は約600万人。カブールが陥落した2021年8月以降急増し、周辺国をはじめ日本やドイツなど、先進国に逃れた人もいます。その後も、ロシアによるウクライナ侵攻、ガザ紛争など、戦争や紛争による暴力が日常となる一方、難民たちを取り巻く環境は厳しさを増しています。
ドイツでは難民によるテロ事件が相次ぎ、去年5月に発足したメルツ新政権が、難民に寛容だったメルケル元首相の政策の転換を進めています。同様の動きは、トランプ政権下のアメリカ、そして日本でも––。
世界で“排外主義”の動きが広がるなか、当事者たちの生活を、アフガニスタン、パキスタン、ドイツ、日本の4か国で取材。一家で国外脱出を図るファティマさんや、日本に逃れてきたフルート奏者のジャムシッドさん、そして人道支援に携わる瀬谷ルミ子さん。それぞれの立場で語られる、平和への想いを紡ぎました。
Profile
1986年生まれ、兵庫県神戸市出身。2009年にTBSテレビ入社。
バラエティ番組のADを2年間務めた後、2011年に報道局に異動。これまでに政治部、デジタル編集部、社会部、『報道特集』を担当。現在は社会部記者。性暴力やジェンダー、児童虐待など、女性や子どもを取り巻く社会問題をテーマに取材を続けている。
1男1女の母。
報道の世界を志したのは、学生時代にバックパッカーとしてインドに滞在中、少女たちの人身売買の現場を目の当たりにしたことがきっかけ。
2023年のTBSドキュメンタリー映画祭で『魂の殺人~家庭内・父からの性虐待~』を監督。同年、ウガンダの元子ども兵士への取材を元に制作した絵本『少女兵士ピチャ』を出版。全国の自治体や小中学校で、子どもたちに“戦争と平和”について伝える取り組みを行っている。
趣味は旅とダイビング。日課はヨガ。家族と一緒に再訪したい場所は、インドのバラナシ、シリアのパルミラ、ケニアのマサイマラ。