3月23日(日) 『War Bride 91歳の戦争花嫁』舞台挨拶レポート
3月23日(日)に『War Bride 91歳の戦争花嫁』の舞台挨拶を実施いたしました!本作の、川嶋龍太郎監督、そして本作を原案とした舞台「War Bride ーアメリカと日本の架け橋・桂子ハーンー 」の主演を務める女優の奈緒さんにもご登壇いただきました。
本作を手掛けた川嶋監督は、「今年は戦後80 年という節目の年です。このタイミングでまた皆さんに見て頂けて光栄です。」と挨拶しました。「いま戦争体験をされた方たちは、90 歳を超える方が多く、お話を聞ける機会がすごく減っています。この映画では私の叔母である桂子・ハーンの他にも、何人かの花嫁さんにもお話を聞けました。それをしっかり映像で伝えて、これからの未来を作る若者たちに届けて、戦争について考えるきっかけになってほしい。」と作品をアピールしていました。
舞台で桂子・ハーンを演じることについて、奈緒さんは「とても光栄に思います。今年で30 歳になったのですが、舞台のお話を頂いたときは、20 代最後の年を過ごしていました。映画を観て、これは自分と同じような年代の子たちが、一緒に深く考えられる題材なんじゃないかと感じました。責任感を持って最後までやり遂げたいです。」と意気込みを語っていました。舞台の企画にも携わっている川嶋監督は「私の叔母である桂子・ハーンは、とても優しくて、すごく芯のある人。20 歳のときにアメリカのオハイオに渡って70 数年。今でもボランティアで日本とアメリカを繋ぐ活動をしています。この芯の強さを演じられる女優さんを考えたとき、奈緒さんしかいないと思ったんです。演じて頂けて光栄です。」と話すと会場からは拍手が上がっていました。
川嶋監督と奈緒さんは、今年の1 月にアメリカで桂子・ハーンを訪れました。その時に撮った写真がスクリーンに投影されると、奈緒さんは「たくさんお話をして、思い出の場所にも連れて行ってもらいました!桂子さん以外にも、現地の市長ともお話しする機会を頂いたんですが、桂子さんがこの土地で、どれだけの人に愛されているのか、すごく肌で感じることが出来ました。」と笑顔で振り返る。川嶋監督は「『舞台で主演をやる奈緒さんだよ』と紹介したんですが、最初はピンときてなかったんですけど、『何かすごく有名な女優さんなんじゃないか?』と途中で気づいたみたいで驚いていました。」と話すと、奈緒さんは「本当に喜んでくださって、『今度、舞台化してくれるのよ!奈緒さんよ!』って、会う人、会う人、街中の人に私を紹介してくれて(笑) 本当にうれしかったですね!」と桂子とのエピソードを話していました。
川嶋監督はドキュメンタリーで伝えるということについて訊かれ、「私は普段、ドラマ制作部でフィクションの物語を作っているんですが、ドキュメンタリーは真実を伝えていく場だと思っています。その真実の物語を、今年は戦後80 年というタイミングなのでしっかりと伝えていきたい。」とコメントしていました。奈緒さんは「ドキュメンタリーは観なければいけないものという思いがあります。自分は普段エンターテイメントを作るのに携わっていますが、ドキュメンタリーは現実。日本は、映画やアニメだったり、何かを想像して作ることが得意な国民だと思います。だからこそ、ときには現実と意識的に向き合うことで、私たちはより豊かになれるんだと思います」と語っていました。
最後に奈緒さんは、「桂子さんはお花が大好きなので、今日はお花柄の衣装を選んだんですが、きっと当時は好きなお花一本選ぶことができない時代だったと思います。今、私は家に帰ると好きなお花が花瓶に生けてあるんです。そういう時代に何故、自分が生きられているのか、しっかりと自分の同世代にも、希望ある若い世代にも伝えていけるよう、桂子さんから受け取ったパワーを、たくさんの方に伝えられるように頑張っていきたいです」とメッセージを送っていました。
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