3月14日(金)、15日(土)、16日(日)!舞台挨拶まとめレポート
3月14日(金)、15日(土)、16日(日)の3日間で各作品の舞台挨拶を実施いたしました!
さまざまな作品の監督や出演者が登壇した舞台挨拶の模様をまとめてお届けします!
〈3月14日(金)実施舞台挨拶〉
『彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~』
【登壇者】西村匡史監督、駒田健吾(TBSアナウンサー)
安楽死するためにスイスに渡った迎⽥良⼦さんに密着した⻄村監督は、「2020 年 1 ⽉に迎⽥良⼦さんから『安楽死を考えるきっかけにしてほしい』との連絡があり、そこから取材を続けて最期まで答えてくれました。そんな作品がこのような形になり上映され、多くの⽅々に安楽死について考えるきっかけになったらと思います」と語りました。
駒⽥アナは本作を 2 回観賞し、「本物の死が描かれている映画は数少ない。本当の死が描かれているというだけでも衝撃を受けるし、随所に⻄村監督の⽬線があって、⼼に残る作品になりました」と感銘を受けた様子でした。
⻄村監督は迎⽥さんの最期の瞬間まで撮影し、彼⼥が安楽死を選んだことに迷いがなかったことを伝え、「最期の瞬間に迎⽥さんに迷いがあったら⽣きる⽅向に背中を押したかったけれど、彼⼥の選択ははっきりしていました。取材を通してではありますが 1 年間やり取りしていたわけで、⾃分にとって⼤切な⼈がいなくなるのはつらかった。カメラマンも号泣していました。難病ではあるものの⾒る限りでは元気な⼈が急に亡くなるというのは、⾟いものがありました」と語っていました。迎⽥さんは安楽死の選択を⾃分の決定であることを伝えたく、最期まで撮影を許可したといい、最後に⻄村監督は安楽死を美化せず、賛否を含めて議論を促す意図があり、この映画が命について考えるきっかけになればと呼びかけました。
〈『彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/01.html
『米軍 (アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』
【登壇者】佐古忠彦監督、内村千尋(瀬長亀次郎次女・不屈館館長)
今回の上映のために沖縄からリモート参加した内村さん。「佐古監督が何度も沖縄に通い続けて瀬⻑⻲次郎を何度も取り上げてくれたおかげで、不屈館の来場者も増えています」とその意義を語った。
佐古監督は、沖縄での劇場公開時に観客の熱気に感動し「沖縄の桜坂劇場の⼊り⼝から 200 メートルくらい⻑蛇の列で、300 席あるホールは満席。100 ⼈くらいの⼈が⼊れずに待っていた。観客の⼀⼈から『ここに並んでいるのは⾒ず知らずの⼈だけれど、⻲次郎の思い出を語り合った』と⾔われました。その熱気を⽬の当たりにした時に、⻲次郎さんの演説会はこんな空気だったのではないかと思った」と当時を振り返っていました。
また、現在の沖縄の現状を嘆き、オスプレイの⾶⾏が⽇常となっていることに対し、内村さんは「⻲次郎はいつも⼤会や演説の先頭に⽴っていた⼈間。今の沖縄の現状を歯痒い思いで⾒ているはず」と亡き⽗・⻲次郎の思いを代弁して語りました。
佐古監督は⻲次郎のカリスマ性について「今の政治家には考えられないくらい、⺠衆との距離が近かった。お互いを『あなたこそ不屈だ』と⾔い合い、もはや⼀体だった。⻲次郎さんは政治家がよく⾔われるような『先⽣』と呼ばれることが⼤嫌い。そんな性格にも彼の不屈がある。そして『不屈』という⾔葉こそ、⻲次郎さんの時代から沖縄県⺠の⼼の中に引き継がれている⾔葉のような気がします」と語っていました。最後に、戦後 80 年を迎えた現在、戦後が続く中で何ができるかを考え続ける重要性を強調し、新作『太陽(ティダ)の運命』にも注⽬を呼びかけた。
〈『米軍 (アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/16.html
『REASON~あの日、HIPHOPに憧れた少年たち~』
【登壇者】嵯峨祥平監督、LiLiCo(タレント/映画祭アンバサダー)
YAS(MC)、紅桜(MC)、VOCA Luciano(MC)、HKR(MC)、DJ KAJI(DJ)

LiLiCoは昨年上映した前作『ダメな奴』に感動し、「何が刺さったのか⾃分でも謎なくらい彼らの⼈間関係に感動」と本作でもメンバーたちの⾔葉に共感したと語り、今作に関し「奥さんの⼼中を⾊々と考えたりする中で妻の⽴場で作品を観ていました。今まで私は夫婦関係におけるルール違反は NO タイプでしたが、紅桜さんに出会ってその考えもちょっと変わりました。ダメなものはダメだけれども“許す”という事が⽣きていく中で⼤事だと。私は考え⽅が固い⼈間かもしれませんが、そんな私の中に“許す”という感情を作ってくれたのは紅桜さん!」と影響を受けていました。
嵯峨監督は「彼らの意志を継いで⼦供世代がラッパーになっていたりするので、その歴史をこれからも撮影し続けたい」意気込んでいました。
紅桜は、地元での反響に驚き、⾳楽が広がっていることに喜びを感じていた。YAS や DJ KAJI は、HIPHOP 映画が今後のシーンにとって重要だとし、HKR や VOCA Luciano も感動を表現。監督は、彼らが素直に⽣き様を⾒せてくれることに感謝していた。LiLiCo は、映画祭でドキュメンタリーの魅⼒を伝え、紅桜は観客への感謝の⾔葉を述べ、嵯峨監督は HIPHOP を知らない⼈々にその魅⼒を広めたいと熱い想いを語り、終幕しました。
〈『REASON~あの日、HIPHOPに憧れた少年たち~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/07.html
〈3月15日(土)実施舞台挨拶〉
『小屋番 KOYABAN ~八ヶ岳に生きる~』
【登壇者】永山由紀子(企画・プロデューサー)、深澤慎也監督、
菊池哲男(山岳写真家)、一双麻希(女優)
深澤監督は、初⽇を迎えた感謝の気持ちを笑顔で伝え、「重い荷物を背負って⼭を登って、そこから機材を組んで撮影しなければならないというのもありましたが、映画の冒頭にある冬のシーンはとくに⼤変でした。冬は-15 度、-20 度の世界に⾏ってしまうので機材も凍ってしまったり…」と映画制作の苦労について語っていました。映画の美しいドローン映像は、⼭岳写真家の菊池⽒のアドバイスを受けて撮影され、「もっと空をカットして、その分だけ⼭の⾯積を増やした⽅が⾼度感が出る。空って上から⼭を押しつぶしてしまうんで、雲とか何もない空なら⼊れない⽅が良いですよ。」と⼭岳写真家ならではのテクニックを紹介していました。
⼀双はナレーションに関して、「映像に負けちゃうんじゃないかという不安もありました。でも美しい映像と、⼭⼩屋の⽅々の⼭への愛の強さに、⾃分の声よりもそっちに⾒⼊っちゃいます。」と恐縮そうに答えると、永⼭から声の美しさを絶賛されていました。深澤監督は、映画の今後の展開として、⻑野での上映を⽬指しており、4K 版での公開を予定していると明かしていました。
〈『小屋番 KOYABAN ~八ヶ岳に生きる~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/03.html
『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変』
【登壇者】萩原豊監督、真山仁(小説家)、
舛方周一郎(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 准教授)
萩原監督は、「環境活動家が年間に 200 ⼈も殺されているという記事を読んだんです。さらに、気候変動の国際会議でアマゾンの先住⺠の⼥性が、森林を守っていた友⼈が殺されたというスピーチをしたと知りました。⼀体何がアマゾンで起きているのか。もしその活動を邪魔に思う組織によって殺害されたのだとしたら、これはあまりに酷い事だと。最初は憤りからスタートしました。」と本作の制作を決意した経緯を語っていました。調査を進める中で、⽔俣病と関連する問題が浮かび上がり、⽇本のメディアが国際社会に伝える必要があると感じたという。映画では、監督が危険な地域での取材を⾏い、犯罪組織との関わりに神経を使いながらも、リスクを感じても撮影を続ける気持ちが強くなる様⼦が描かれている。
真⼭さんは、「誰もが⾦と関わりを持っている。資本主義が栄えれば栄えるほど、こういう事はいくらでも起きる。⽔俣病は昔の公害の話でみんな教科書で読んでいますが、それが今起きているということに、⽇本⼈は『まだそんなことやってるの?』と思う。でもそれは世界の⽂明の速度が違うだけ。もっと⾃分たちの事として考えないといけない。重い宿題を頂いた。」とおっしゃっていました。
⾇⽅さんは、「ブラジル⼈が歩んできた道を理解してほしい。多くの苦難の中で⽣きてきた知恵が、いまの⽇本にとって⼤きな財産になりはじめている。ブラジルは⾮常に格差のある貧困や暴⼒のある国で、その格差問題はいまや世界中でおきている。そういう場所で⽣きてきた⼈は、どう協⼒しその問題と向き合ってきたか、これは今の⽇本が抱える⼤きな問題を考える上で、⼿がかりになるのではないか」と述べ、萩原監督は、弱い⽴場の声を伝えるジャーナリズムの重要性を強調し、今後もこの問題に取り組み続ける意志を見せていました。
〈『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/11.html
『渡邊雄太 ~傷だらけの挑戦者~』
【登壇者】久米和也監督、渡邊雄太
完成した映画を⾒た渡邊選⼿は照れながらも「素晴らしかった」と久⽶監督に感謝を述べたが、この取材を受けたことに関して、「最初は、あんまりよく知らないまま取材を受けてて、「情熱⼤陸」だけだと思った。最近になって映画になると聞いてびっくりしました(笑)」と明かしていました。
さらに久⽶監督に関し「僕がグリズリーズ2年⽬の開幕前、同時期に八村塁選⼿も NBA が決まって、その時マスコミの⼈がみんなロサンゼルスに⾏ってしまったんですが、久⽶さんはメンフィスにきてくれて、この⼈についていこうと思いました。」と信頼を寄せている。試合直前で⻭磨きすることについて「試合直前のミーティングの前にバナナを⾷べる。でもそのままで試合には出たくないので必ず⻭磨きします。」とユーモアを交えながらルーティンを語る場面も。また、⼋村選⼿に関する誤解を解くために⾃ら記者会⾒を開いたことにも⾔及し、「トム(・ホーバス日本代表監督)も塁も、へんな⾒られ⽅をするのは嫌だった。他⼈事ではすまなかったので、⾔っておきたかった。」と⽇本バスケの未来についての想いを語っていました。最後に渡邊選⼿は、今後の試合に向けての抱負と応援の感謝を述べ、久⽶監督は渡邊選⼿の挑戦から学び、今後の活躍に期待を寄せていました。
〈『渡邊雄太~傷だらけの挑戦者~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/02.html
〈3月16日(日)実施舞台挨拶〉
『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム2~』
【登壇者】津村有紀監督、
古川流唯、中下雄貴、設楽 賢、小辻 庵
國村諒河、高垣博之、関 優樹、永遠、加藤青空
昨年⾏われた舞台の裏側にも密着し、前作以上にメンバーの素の顔を映し出している本作。3月16日(日)には3回の舞台挨拶付きでの上映が実施されました。
リーダーの國村は「前回は体験談を語ることが多かったんですが、今回はそれを映像としてお⾒せ出来ます。永遠の怒られエピソードもこれまでいっぱいしてきましたが、ついに映像で⾒られる⽇が来ました!」と⾃信を⾒せていました。
最後に津村監督から「この映画には、アイドルの中にある⼈間らしさが沢⼭映し出されています。メンバーたちそれぞれ思いが素敵で羨ましくも感じながら撮影しました。⼈のご縁とか⽇々の忙しさで忘れがちになりますが、この映画を観た⼈が、⾝近な⼈、出会った⼈を⼤切にしたいと思えるきっかけになればと思います」と挨拶し舞台挨拶は終了しました。
舞台挨拶の後には、カラフルダイヤモンドのメンバーたちがお客さんを⾒送る「ハイタッチ会」も実施され、みなさん笑顔で劇場を後にしていました。
〈『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム2~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/08.html
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