3月28日(金) 、29日(土)、30日(日)!舞台挨拶まとめレポート
3月28日(金) 、29日(土)、30日(日)の3日間で各作品の舞台挨拶を実施いたしました!
さまざまな作品の監督や出演者が登壇した舞台挨拶の模様をまとめてお届けします!
〈3月28日(金)実施舞台挨拶〉
『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム2~』【@センチュリーシネマ/名古屋】
【登壇者】津村有紀監督
古川流唯、中下雄貴、設楽賢、國村諒河、高垣博之、関優樹、永遠、加藤青空 (カラフルダイヤモンド/出演者)

津村監督は「2年連続でカラフルダイヤモンドのホームタウンの名古屋で上映でき、本当にうれしく思います。私は三重県出身なんですけど、故郷に錦を飾る気持ちで今日から舞台挨拶に挑みたいと思います」と気合が入った様子でした。その言葉を受け古川さんは「カラフルダイヤモンドが生まれた場所、そして育った場所でもあるので、そんな場所でいつも応援して下さるファンの人に作品を観てもらえて、とても幸せな気持ちです」と喜んでいました。作品の見どころについて聞かれた設楽さんは「中下くんのインタビューシーンの“間”が見どころだと思います。東京で上映した際に僕のお母さんが観に来てくれたんですが、あの“間”に感動したと言っていて。あの“間”で中下くんは何を考えていたの?」と、中下さんへ質問。中下さんは今年4月にカラフルダイヤモンドを卒業することを「撮影の時点で考えていて」と話し、「インタビューで10年後を語るうえで、卒業してしまうのにカラフルダイヤモンドとして語るとウソになってしまうんじゃないかと考えてしまって。カラフルダイヤモンドのメンバーとして語るのか、一人の人間として語るのか、伝え方に迷ってしまいました。ただ、メンバーのことが大好きで、メンバーのことを思って、純粋な気持ちで語っている点だけは、迷いはありませんでした!」とゆっくりと自分の言葉で伝えようとしていました。
舞台挨拶後にはハイタッチでお客様をお見送りし、ファンもメンバーも笑顔あふれる充実した上映会となりました。
〈『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム2~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/08.html
『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』【@センチュリーシネマ/名古屋】
〈子ども家庭庁 特別推薦作品〉
【登壇者】柳瀬晴貴監督、棈松怜音(出演者)
トゥレット症の方のリアルに迫った本作は声出しOK上映として公開しており、トゥレット症の方の来場も見受けられました。本作出演者で、自身もトゥレット症である棈松さんは本作が公開されてから「目に見えて生きやすさが変わりましたね。『(トゥレット症を)病気だって知っているから大丈夫だよ』と声をかけていただいたり、『テレビで見たよ。応援しているよ』と言っていただく機会が増えて、僕が目標としていた未来に近づいたんじゃないかなと感じています」と嬉しい表情を浮かべていました。柳瀬監督は「本作は色々なところで評価を受けていて、ギャラクシー賞だったり、日本民間放送連盟賞だったりをいただきました。視聴者からの反響もすごくて、テレビで放送したときにはCBCの電話が鳴りやまず、北は北海道から南は沖縄まで全国から声が届いていました」と本作の影響を語り、「棈松さんがこれからしていこうとしているトゥレット症の方の居場所づくりや気兼ねなく過ごせる場所づくりにフォーカスして取材していきたいですし、そういう場をCBCとしても提供できればいいなという風に思っています」と今後の目標を明らかにしていました。
〈『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/04.html
『労組と弾圧』【@テアトル梅田/大阪】
【登壇者】伊佐治整ディレクター、内田樹(哲学者)

内田さんがこの問題をリツイートされていたのを見たことがきっかけで作品に取り組むことになったという伊佐治監督の話を聞いた内田さんは「僕がきっかけだったんですね。竹信三恵子さんが書かれた書籍(『賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国』)を読んで僕も驚愕しました。労働組合には刑事免責が定められていることが全然周知されていない」と熱く語っていました。それを聞いて伊勢治監督は「取材しているうちに、見え方が変わり、労働組合として当たり前のことをしているんだと感じた」と話ました。内田さんは「映像で観ると顔とその人の声で本当のことを言っているかがわかる。真実を語っているかどれだけ人間として浅いか深いかがありありと出てくる、映像って怖いと思いました」とコメント。裁判所だって間違えるんだよねという視点を持って取材を始めたという伊勢治監督は、ドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』(土屋トカチ監督)を始めいろんなところから素材の協力を得たことに感謝を述べていました。MCのMBSの西靖アナから「この映画語りがいいですよね。ナレーションを担当しました。」といって会場を和ませると暖かい拍手が沸き起こりました。内田さんも「西さんの声の底の方に灯りがあって希望が持てて新鮮だった。」と語っていました。西アナは、ナレーションをする前に当事者の方にラジオの番組に出てもらい、説明をうかがってナレーションに臨んだことも話していました。最後に、西アナは「我々の思いの詰まった作品を観に来ていただいてありがとうございました」と観客の方々に感謝の思いを伝え、和気あいあいとした中、観客の皆さんとフォトセッションが行なわれました。
〈『労組と弾圧』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/14.html
〈3月29日(土)実施舞台挨拶〉
『巨大蛇行剣と謎の4世紀』【@テアトル梅田/大阪】
【登壇者】山﨑直史監督、青柳正規(奈良県立橿原考古学研究所所長/元文化庁長官)、
岡林孝作(奈良県立橿原考古学研究所学術アドバイザー)

長年、発掘に携わっている岡林さんは発見した当時のことを「最初は3本くらいの剣が重なっているのではと思いました。レントゲン写真で1本の巨大な剣だと分かり”なんじゃこりゃ!”と」。青柳さんも「長年の研究人生の中で、今回の発掘は日本のエクスカリバーです」と、魔法の力を持つアーサー王が持つとされる伝説の剣に例えられていました。岡林さんは「一見無駄に見えるものが、実は技術革新につながっている」と語り、約1600年も前の日本人が外から来たものを学んで自分のものにしてしまうというスキルに感心されていました。山﨑監督は「考古学研究所で出土品の保存処理の作業は何日見ていてもあきなかった。現在の匠の技です」と撮影時のわくわくした気持ちを語ってくれました。それを受けて岡林さんは「映画を通じて保存科学の重要性を広く知ってもらうことの大事さを伝えられた」とおっしゃっていました。お2人に考古学者になりたいと思ったきっかけを山崎監督が尋ねると、長年、イタリアで発掘を続けてきたという青柳さんは「80歳になってようやく実感のあるローマ文化を知るところまできて、やってきてよかったなあと思います。写真や文章ではなく考古学は実像を体得できます。そして、私はお金は稼げないですが、何十億というお金を使ってきた」と語り、お客さんからも羨ましがられていました。”古墳の発見には岡林さんあり!”と言われている岡林さんは「文字を使わず遺跡で語らせる考古学は発展の化学であり、発掘の調査で何かが出ることが喜びです。考古学をやっていなければ立ち会えません」とおっしゃられ、お2人とも考古学の魅力を存分に語ってくださいました。
〈『巨大蛇行剣と謎の4世紀』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/06.html
『小屋番 KOYABAN~八ヶ岳に生きる~』【@テアトル梅田/大阪】
【登壇者】永山由紀子(企画・プロデューサー)、菊池哲男(山岳写真家)、笹倉孝昭(山岳ガイド)

監督とは20歳の年の差だという永山さんは「60歳の体に鞭打ってほとんどの山に一緒に登りました。雪山は初めてだったんで、自腹で冬用の山の装備をしっかり揃えました」と語っていました。また、昨年の12月から3月の間に山小屋に10泊以上しているという笹倉さんは「泊ったことがない山小屋も映像で見ることができて行ってみたいと思いました」とこの映画の魅力を語っていました。八ヶ岳の魅力はとの質問に菊池さんは「山がコンパクトで北と南で表情が全く違うのが魅力です。北は苔と森、南はごつごつした岩山です。また、いろんなスタイルの小屋があるので体力に応じて山に登ることができる。もっと多くの人に八ヶ岳の魅力を知ってもらいたいです。八ヶ岳の山小屋のオーナーはそれぞれに得意分野があって、オーナーごとに博士がいるんです」とコメントしていました。撮影の苦労を聞かれた永山さんは「マイナス20度のところでそのままでいると凍傷になると言われる場所での撮影で、監督は20キログラムの機械をリュックに入れて、ドローンを飛ばすんですが極寒なので凍えながら撮影していました」と語り、時には素手での撮影だったことも明かしていました。菊池さんは「山に行くときはいいものを揃えること、装備を整えることは命に直結する。エベレストへ何度も登った方より、装備をちゃんと整えた初心者の方がいい」と強くおっしゃっていました。最後に永山さんは「山は不便ですが、デジタルデトックスにもなり、この映画から違う価値観を感じてもらえたらうれしいです。多くの方に観ていただいて癒しになっていただく映画になればいいなと思います」と本作をアピールしていました。
〈『小屋番 KOYABAN~八ヶ岳に生きる~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/03.html
『巨大蛇行剣と謎の4世紀』【@アップリンク京都/京都】
【登壇者】山﨑直史監督、奥山誠義(奈良県立橿原考古学研究所総括研究員)
村瀨陸(奈良市埋蔵文化財調査センター主務)

「厳しい関西の考古学ファン観てもらうとあって緊張する」と恐縮しながら登壇した山崎監督が、出演者であり巨大蛇行剣の発掘、保存の作業に携わったお二人に改めてお話しを伺っていました。「少しずつ掘り進めながら、巨大蛇行剣が徐々にその全貌を現した瞬間は本当に印象深かった」という村瀬さんは、巨大蛇行剣が作られた背景について、「心の余裕がある時代でなければここまで大きなものは作られない。5世紀以降の前方後円墳の巨大化などに見られる技術や生産システムの成熟の萌芽が、4世紀にすでにあったのではないかと思う」と語っていました。巨大蛇行剣のクリーニング作業に当たった奥山さんは「作業は特別難しかったわけではない、むしろドキュメンタリーのカメラに見られていることが普段にはない経験でプレッシャーだった」と会場を笑わせていました。さらに「保存科学があってこそ文化財を後世に伝えることができる。普段なかなか表舞台にでることのない役割だが、この映画を通じてその存在を知っていただけたら嬉しい」と締めくくり、会場の歴史ファンにあたたかい拍手で送られていました。
〈『巨大蛇行剣と謎の4世紀』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/06.html
〈3月30日(日)実施舞台挨拶〉
『jABBKLAB~誰も置いてかないダンススポット~』【@キノシネマ天神/福岡】
【登壇者】寺井到監督、cocoroyen(jABBKLAB)、hinsu(jABBKLAB)

hinsuさんは「生徒の今と未来を考えてくれるダンススクールはjABBKLABだけ」と語り、cocoroyenさんも「ダンススキルだけを教えているわけではなくて、人間性、人を育てている側面がある。もちろん楽しいことが大事だけど、喜怒哀楽があってこその楽しさだし、優しくすることだけが愛ではないと思って生徒に接している」とjABBKLABについて語っていました。「jABBKLABには子どもに一方的に与えるんではなく、考えてもらおうとする姿勢が常にある。それが子どもの未来を考えるということなんだと思う。」という寺井監督は、「取材していると彼らの思いが、言葉ではなく動画(ダンス)だけで伝わっていっていることが肌で感じられた。それは本当にすごいこと。彼らがやろうとしていることは、文化史的・音楽史的な大事件なんじゃないかという予感と、その新しいムーブメントが誰か特別なひとりではなく、みんなで作られていくんだという感覚に夢を感じながら撮影した」と熱く語り、会場はあたたかい拍手に包まれていました。
〈『jABBKLAB~誰も置いてかないダンススポット~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/05.html
『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』【@キノシネマ天神/福岡】
【登壇者】大村由紀子監督、冬至克也(出演者)

大村監督が「10年がかりで作った作品。BC級戦犯は920人もの人が処刑されているが、記録も少なく、遺族でさえも詳細を知らないことも珍しくない。さらに戦争犯罪人という言葉が重くて口を閉ざして息をひそめて戦後を生きていらっしゃったという方も多い中、この作品では貴重な証言をしていただいている。映画にすればその協力してくれた方々の声を永く残すことができる、そんな思いで制作した。」と語ると、スガモプリズンで過ごした戦犯死刑囚という過酷な体験を6年分の日記に残した冬至堅太郎さんの三男・克也さんは「父が遺したものを読む機会はそう多くはなかったが、今回、大村監督による取材の過程で、日記や文章を紐解く作業をともにし、父をより深く知ることになった」とコメントしていました。また「劇中の父の言葉に“戦争というものは国民が責任を負うものだ”とあり、今日また改めて深く感じた」と述べると、大村監督が「この作品は過去についての映画だが、この作品を見ることが未来につながってほしいという願いがある。戦後80年平和を維持している日本から、今世界で起きている戦争に目を向けるきっかけになってくれたら」と本作への思いを語っていました。
〈『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/17.html
『小屋番 KOYABAN~八ヶ岳に生きる~』【@センチュリーシネマ/名古屋】
【登壇者】深澤慎也監督、永山由紀子(企画・プロデューサー)、
菊池哲男(山岳写真家)、高橋玲司(日本山岳会東海支部長)

普段は音声マンとして働く深澤監督はこの企画が通った後に「正直1時間を1人で作るのは厳しいな」と思ったそう。そこで「菊池さんの沢山ある素敵な写真のストックをお借りできればなんとかなるだろうという思いで出演をお願いした」と語りました。そんな深澤監督のオファーに菊池さんは「情熱大陸の出演オファーかと思った」とコメントしていました。菊池さんが以前撮影協力したドラマの時はスタッフ60名で山の撮影をしたそうだが今回は登壇した3名で撮影に挑むことも多く、本当に少人数。特に深澤監督は20キロ以上のカメラ・バッテリー・ドローンなど撮影機材を持ってほぼ1人で撮影していたという。ドラマだったら「監督はカメラを待ちません笑」と菊池さん。高橋さんは「八ヶ岳の冬は特に寒いので凍傷になることはしょっちゅうある。そんな中、あれだけの撮影をよくされたなと思った。」と話されていました。エンドロールで流れる綺麗な雪山が実は撮影の前後はガスって全く見えなかったそうで、あの5分間だけ撮影ができた、まさに奇跡の5分だったと撮影秘話を披露する場面も。高橋さんは作品を見て「八ヶ岳がこんな良い山だったかと再認識した。この映画は映像も凄く綺麗でカナディアンロッキーのようでもある。」と仰いました。最後に深澤監督が「ドキュメンタリー作品の良さは今回映画に出ていただいた人に良い影響が与えられることだと思うので、映画を観た上で山に登っていただいて小屋で知り合った方々とぜひ映画の話をしてほしい」というコメントで締めました。
〈『小屋番 KOYABAN~八ヶ岳に生きる~』作品情報&上映スケジュール〉
https://tbs-docs.com/2025/title/03.html
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